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歯突起骨(Os Odontoideum)

頚椎の軸椎(第2頚椎)には、歯突起と呼ばれる突起のような部位があり、この歯突起は環椎(第1頚椎)と関節を形成して、首の動きをサポートしています。歯突起骨(Os Odontoideum)は、この歯突起の一部が軸椎から分離した状態となり、小さな骨片として存在する小骨を指します。

歯突起骨は先天的な要因や外傷によって発生することが知られています。この分離した骨片は首の動きに伴って動くことがあり、これが脊髄や神経を圧迫することで症状が出現します。

症状としては、首の痛み、制限された動き、手足のしびれ、歩行障害などが挙げられます。診断は主に放射線画像、特にレントゲンやMRIによって行われます。これらの画像診断で歯突起が軸椎と連続性がなく、分離した骨片が確認されることで、歯突起骨と診断されます。

治療方法は症状の程度や原因によって異なります。軽度の症状や安定している場合は、首の固定器具の装着や物理療法が推奨されることがあります。しかし、一般に歯突起骨の場合には、第1-2頚椎の連続性が失われているため、非常に不安定ですので、重度の脊髄麻痺が発生するリスクが高くなります。したがって、一般的に診断がつけば、その時点で積極的に手術が実施されます。手術では、第1-2頚椎をインプラントで固定する手術が行われます。基本的には環軸関節亜脱臼と類似の手術を行います。

石井賢医師は、82例の環軸関節後方固定術の経験を持ちます。


 図 (左)歯突起骨により、第1-2頚椎のズレがみられます。 
   (まん中、右)第1-2頚椎がインプラントにより正常な位置に固定されています。


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