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脊椎脊髄(せぼね)の病気について(総論)

脊椎(背骨:せぼね)に由来する症状で医療機関を受診する患者様は多く、厚生労働省の国民生活基礎調査では、65歳以上の有訴者率は肩こり、 腰痛が男女ともトップ3を占めています。肩こり、首こり、腰背部痛の原因となる病態は様々報告されています(表)。

背骨はヒトの身体を支えて姿勢を保持するという重要な役割を担っていて、椎骨という骨が重なった構造をしています。背骨は、首(頚椎 )、背中(胸椎 )、腰(腰椎 )の大きく3つの部分に分かれていて、頚椎は7個、胸椎は12個、腰椎は5個の椎骨から成り立っています。背骨の形状は前からは真っすぐで、横から見るとゆるやかなS字状のカーブを描いています。特に首は前方へ弯曲する形状を呈しています。椎骨と椎骨の間には椎間板という軟骨組織があり、衝撃をやわらげたりするクッションの役割をしています。背骨の上には頭蓋骨があり、その中にある脳からつながる脊髄という人差し指ほどの太さの神経が背骨の中を走行して、脊髄から分岐する細い神経(神経根)となり、最終的に手足の筋肉などにつながっています。首は重さ5-6㎏ある頭蓋骨を保持し、脊髄を保護するなどの重要な役割を担っています。

つまり、脊椎には身体を支えて、首や身体を前後左右に動かすという運動器としての働きと、四肢の運動や知覚、また排尿・排便機能などを支配する神経組織(脊髄・馬尾神経)を保護するという働きがあります。脊椎には日常的に頭や身体の重みがかかり、また可動性のある部位であるため、加齢とともにその構造物(骨・椎間板・靭帯など)に変性や変形が生じてきます。また、脊椎には奇形、外傷、感染症、腫瘍性病変など様々な病態が存在します。一般に病気が進行すると背骨の変性や変形が原因で痛みを生じます。さらには、神経組織を圧迫し、神経痛を生じます。

下に脊椎・脊髄に由来する症状を列挙します。

以上のような症状が生じると、日常生活にも大きな影響を及ぼします。診断は、主に患者様の訴え(自覚症状)、診察(他覚所見)、検査の3つによりなされます(図)。

治療は、診断や患者様の状態によって異なりますが、まずは薬物治療やコルセットなどの装具治療、理学療法、物理療法、あるいは神経ブロックといった保存治療(手術以外の治療法)を行います。保存治療による効果が不十分で日常生活を送れないほどの痛みやしびれが継続する場合、あるいは重篤な運動神経・感覚神経障害を生じた場合には、手術治療を考慮する必要があります。手術は一般的に、神経組織を圧迫から解除したり、脊椎を固定・安定化したりすることによって、神経症状や痛みを改善します。石井賢医師は手術に身体の負担が少ない最小侵襲治療を広く取り入れています。

本サイトは、脊椎・脊髄(せぼね)の代表的な疾患と石井賢医師臨床チームが行っている治療についてご紹介致します(代表的疾患と治療法の説明は石井賢医師臨床チームの実績と取材に基づいた内容を掲載しています)。

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