疾患と治療
せきちゅうへんけい、ししゅんきとくはつせいそくわんしょう
脊柱変形、思春期特発性側弯症
正常な状態の脊柱は、正面から見るとまっすぐに伸び、横から見ると前後にカーブした生理的弯曲をしています。脊柱が横に弯曲したり、前後のカーブの弯曲に異常がみられたりする場合を脊柱変形といい、側そく弯わん症しょう、後こう弯わん症しょう、後こう側そく弯症に分けられます。側弯症は、脊椎自体に原因はない機能性脊柱側弯症と、脊椎自体にねじれや骨の変形がある構築性脊柱側弯症とに分けられます。構築性側弯症とは、正面から見たときに、脊柱が左右に曲がり、脊柱の回旋(ねじれ)を伴う疾患です。その大部分が原因不明の特発性側弯症です。弯曲の程度を評価するには国際基準であるコブ角が用いられ、角度が10°以上ある場合に側弯があると診断されます。日本では思春期側弯症が最も多く、女児に好発します。一般的には成長とともに側弯が変形していきますが、成長が終わると進行も止まることもあります。脊柱が後方に凸状に曲がった状態の後弯症ヒトの脊柱は、横から見たときに、頸椎と腰椎は前に出た状態の前弯で、胸椎は後ろに出た状態の後弯となり、S字状の形をしています。脊柱後弯症は、脊柱が後方に凸状に曲がり、背中や腰が突出している状態のことを指します。加齢が原因となる場合は、骨粗しょう症(P.164 参照)による椎体骨折を伴うことが多く、女性に多く起こります。また、構築性脊柱後弯症の原因には、ショイエルマン病などがあります。