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疾患と治療

くもまくのうしゅ、せんこつのうしゅ

くも膜のう腫、仙のう腫

脳と脊髄を覆っている3層の膜があり、そのうちの中間に位置するのが「くも膜」と呼ばれる膜です。このくも膜は脳や脊髄を保護し、脳脊髄液を含む重要な部分です。くも膜のう腫は、このくも膜から発生する袋状のできもの(のう腫)です。成長に伴い、隣接する脊髄や神経根に圧迫を与え、さまざまな症状を引き起こすことがあります。一般的にゆっくりと成長するため、長い間症状が出ないこともあります。特に臀部の仙骨部発生のものは仙骨のう腫と呼ばれ、症状が全くない無症候性の仙骨のう腫も多数あります。診断は主にMRIやCTスキャンにより行われます。これらの画像診断で、くも膜由来の特有の形状や位置の腫瘍が確認されることで、くも膜のう腫と診断されます。くも膜のう腫の治療は、その大きさ、位置、症状の程度によって異なります。症状がなく、腫瘍の大きさが小さい場合は経過観察となることもあります。しかし、進行性の神経麻痺例やのう腫が大きくなる例は、手術による治療となります。手術はのう腫の種類によって異なります。のう腫を取り除く手術が昔より実施されています。最近では、のう腫が正常のくも膜下腔との間に弁による交通孔が形成されている事があり、このようなケースでは、この交通孔を塞ぐ低侵襲の手術が行われます。


図 胸椎にできたくも膜のう腫(矢印)。小さい切開による内視鏡を併用した最小侵襲手術で症状は劇的に改善しました。

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