私たちの体には多くの神経が走っており、これらの神経は痛みや他の感覚を伝える役割があります。ブロック注射は、特定の神経や神経叢（複数の神経が集約している部位）に直接薬剤を注入することで、その神経の活動を一時的に遮断する治療法です。慢性的な疼痛や筋肉のけいれん、腰や首、関節などの痛みなどの症状の原因は通常、特定の神経の過敏さや炎症が原因となっています。トリガーポイントとは、筋肉内の特定の点で、触診や圧迫で痛みを引き起こす硬くなった部分を指します。患者の痛みの位置や性質、触診や動きの制限などの情報を元に、どの神経が関与しているのか、またトリガーポイントが存在するかを医師が評価します。

ブロック注射の種類:

神経ブロック注射　　（腰や首の神経根ブロック、坐骨神経ブロック、仙骨裂孔硬膜外ブロックなど）痛みの原因となっている神経や神経叢に直接麻酔薬やステロイド等を注入することで、痛みを軽減または遮断します。

トリガーポイント注射:トリガーポイントとなっている部位に局所麻酔薬やステロイドなどを注入し、筋肉の緊張やけいれんを緩和し、痛みを和らげます。

局所注射:痛みを感じる部位、腰や首、関節内などに麻酔薬やステロイドなどを注入し、炎症や痛みを抑えます。

これらの注射は、痛みの原因となっている神経の同定と痛みの緩和を目的とした一時的な治療法となります。効果の持続時間は個人差があり、数時間から数週間、場合によってはそれ以上の効果が得られることもあります。痛みの原因や持続性によっては、継続的な治療や他の治療法との組み合わせが必要となることもあります。