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疾患と治療

きょうついこうじゅうじんたいこっかしょう

胸椎後縦靭帯骨化症

胸椎後縦靭帯骨化症(OPLL)は、主に中高年の男性に多い脊椎の疾患で、胸椎(背中の骨)の後縦靭帯が骨化する難病指定の病気です。疫学的には、特に東アジア人、特に日本人に多いことが知られており、50歳以上の男性で約2-4%の頻度で見られます。

主な症状は神経圧迫によるもので、脊髄が圧迫されると、背中や胸部の痛みといった感覚異常、痙性歩行(ふらつき・つまずきやすい・歩行がぎこちない)、膀胱直腸障害(頻尿・失禁)などの症状が現れることもあります。

診断は、まず患者様の症状と身体的な検査により行われ、次にMRIやCTなどの画像検査を用いて靭帯の骨化と神経圧迫の程度を評価します。

治療は、症状の重度と進行速度、一般的な健康状態などによります。軽症の場合、非外科的(保存的)治療として物理療法、薬物療法(痛みを緩和する薬や炎症を減らす薬など)、生活の指導などが行われます。特に重度の脊髄障害は、不可逆的になり回復が困難となることがあるため、早急な外科的治療(脊椎後方固定術、骨化浮上術など)を要することがあります。





図 胸椎後縦靭帯骨化症の手術

(左)術前CTでは、胸椎高位に著明な後縦靭帯の骨化がみられます。

(右)術後CTでは、後縦靭帯の骨化が完全に切除されていることが分かります。

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