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疾患と治療

けいついじんこうついかんばんちかんじゅつ

頚椎人工椎間板置換術(TDR)

厚生労働省は、新たな医療機器の使用要件および基準の策定事業を実施しています。石井医師は、平成25年度(2013年)厚生労働省 次世代医療機器評価指標作成事業 脊椎インプラント分野 審査ワーキンググループに、平成28年度(2016年)厚生労働省 新医療機器使用要件等基準策定事業 頚椎人工椎間板置換術に対する使用基準作成ワーキンググループに参画し、本邦における頚椎人工椎間板置換術(TDR)の導入に際しての適正使用ガイドラインの作成に尽力しました。その後、TDRのインプラントが国内で正式に厚生労働省の承認を得て、2018年に国内第1例目となる頚椎人工椎間板置換術(ジンマーバイオメット社製・Mobi-C®)を実施致しました (図1、2)。

新たな術式であるTDRは、海外の良好な長期成績も報告されていることから、今後本邦でも広く普及されることが期待されている術式です。今日に至るまで、頚椎椎間板ヘルニア・頚椎症性神経根症・頚椎症性脊髄症などの疾患に対しては前方除圧固定術が広く行われています。前方除圧固定術は優れた術式ですが、その一方で頚椎の一部の動きを固定してしまうため、その運動機能が失われ、長期的にみて他の部位への負担による再手術例も報告されてきました。

一方、TDRは手術する頚椎の動きを温存することができるため、画期的な治療であると言えます。手術時間は1-1.5時間で出血量は20ml以下(石井医師による過去40症例の平均出血量22ml)と、身体への負担が少ない点がこの術式の利点です。通常、手術翌日より座位や歩行訓練を開始し、食事も可能です。

図(左)頚椎人工椎間板インプラント(Mobi-C®)

(右)術後レントゲン写真

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