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疾患と治療

けいついこうほうこていじゅつ

頚椎後方固定術

頚椎後方固定術は、頚椎の後方から切開を加えて脊椎にアプローチし、金属製スクリューなどで頚椎を固定する手術法です。多くの場合、脊髄の圧迫を解除する後方除圧術と併用されます。適応となる病態は、頚椎に不安定性を認める場合(関節リウマチや転移性脊椎腫瘍など)、頚椎の骨の並びが悪い(頚椎後弯症、首下がり症候群など)、頚椎後縦靭帯骨化症などがあります。

固定する範囲は病態により変わりますが、いずれも固定力が強く、有用な術式です。脊髄や重要な血管をよけながら行う難易度の高い手術ですので、手術前に特殊な検査で十分に評価し、手術中も神経の状態を常に確認しながら慎重に手術を行います。手術時間は病態によりますが、約2-3時間で、出血量は約50-200mlです。術後は、頚部を固定する装具を約1~3カ月装着します。

図 第2頚椎(軸椎)歯突起後方偽腫瘍に対する頚椎後方除圧固定術

関節リウマチは四肢の関節だけでなく、脊椎にも様々な障害が生じます。


本症例では、環軸椎という脳に近い首の骨にぐらつきが生じ、2番目の頚椎の後方に偽腫瘍と呼ばれる病変が形成され、脊髄が強く圧迫されていました。金属製のスクリューにより頚椎のぐらつきが固定されると、偽腫瘍は自然縮小し神経症状も改善しました。

図 首下がり(くびさがり)症候群に対する頚椎後方固定術

(左)ご高齢の方に多く発症する、頭が下を向いてしまって持ち上がらない首下がり病という疾患があります。前方が見れないため、日常生活に不便を生じたり、嚥下障害で食事が十分にとれないこともあります。

(まん中、右)本症例では、金属製のスクリューを用いて頚椎が大きく矯正固定され、前方が見れるようになりました。

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