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疾患と治療

ミストさいしょうしんしゅうせきついあんていじゅつ

MISt 最小侵襲脊椎安定術(Minimally Invasive spine Stabilization)

MISt (ミスト 最小侵襲さいしょうしんしゅう脊椎せきつい安定術あんていじゅつMinimally Invasive spine Stabilization



【転移性てんいせい脊椎せきつい腫瘍しゅように対するミスト手術】

転移性脊椎腫瘍による麻痺や痛みで苦しんでいる患者様の苦痛を少しでも軽減するために最小侵襲脊椎手術を行っています。従来の切開手術に比べ、術中・術後の出血量が少なく、輸血率も少ないことが証明されております。身体に対する負担が少ないために術後早期のリハビリテーションや放射線治療が可能です。

図 上)MRIで造影効果のある脊椎が描出されています。本症例では、がんの既往があり、同部位は転移性脊椎腫瘍と診断されました。椎体が破壊され、腫瘍が脊髄を圧迫しています。

(下)本症例では、従来のように大きな切開を加えること無く、ミスト手術と呼ばれる経皮的椎弓根スクリューを用いた特殊な方法で、小さい皮膚切開で脊椎を安定化しました。がんの患者様に対しては、できるだけ体にかかる負担の少ない低侵襲な方法が望ましいと考えています。

【化膿性かのうせい脊椎炎せきついえん (せぼねの感染症) に対するミスト手術】

脊椎と椎間板(せぼね)には、細菌が付着し、感染症を起こす事があります。すると膿(うみ)が脊柱管内(神経の通り道)にあふれ、神経を圧迫したり、骨が溶けてせぼねが不安定になります。全身には細菌が播種し、敗血症で命の危険をきたしたりします。一般には、安静や細菌を殺すために抗生物質の投与などを行いますが、効果が不十分な事があります。その場合は、手術で膿を排除したり、せぼねを固定したりします。ただし、化膿性脊椎炎を発症する方は、免疫力が低下していたり、糖尿病、心疾患、肝疾患、腎疾患などの併存疾患などにより、大きな手術を受けることが難しいことがあります。そこで、一部の難治性の化膿性脊椎炎に対して、身体にかかる負担の少ないミスト手術が有用です。近年では、従来ミスト手術が難しかった下位腰椎に対しても、経皮的S2 alar iliac screw法による強力な骨盤固定法が可能となっています。

図 (上)第4番目、5番目の椎体が感染し、進行性の骨破壊と後弯変形を認めます。大きな切開を加えること無く、経皮的椎弓根スクリューを用いた特殊な方法で、脊椎を安定化しています。

(下、左)術前の進行性の骨破壊が見られましたが、(下、右)術後1年では良好な骨癒合が得られています。多くの場合、インプラントは一時的な固定として使用します。本症例では、約1年でインプラントを抜去しました。


【びまんせい特発性とくはつせいこつ増殖症ぞうしょくしょう強直性きょうちょくせい脊椎炎せきついえんに対するミスト手術】

びまん性特発性骨増殖症(Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis)や、強直性脊椎炎(Ankylosing Spondylitis)という、脊椎が連続して癒合してしまう疾患があります。
問題点として、元々脊椎が癒合していない部分や、軽微な外傷による微小な骨折などで徐々に不安定性が生じ、脊髄の圧迫をきたします。ちょっとした転倒などの数ヶ月後に、重篤な神経障害を呈することもあり、注意が必要です。治療は、保存治療では改善しないケースも少なくないため、手術治療がしばしば選択されます。
当院では、大きな切開を加えること無く、経皮的椎弓根スクリューを用いた特殊な方法で脊椎を安定化させるミスト手術を積極的に行っております。

図 (上)連続性に骨が癒合している間に骨が癒合していない部分があり、同部位で持続的な不安定性が生じて、脊髄が圧迫されています。

(下)経皮的椎弓根スクリューを用いたミスト手術で、大きな切開を加えること無く脊椎を安定化し、神経症状は著明に改善しました。

MIST ミスト 手技の導入から歴史の対談:https://ken-ishii.com/assets/PDF/koshi_mist_taidan.pdf

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