疾患と治療
ようぶついかんばんしょう
腰部椎間板症
腰椎は、5個の椎骨と、その間にあるクッション(椎間板)で形成されています。椎間板の中心部には水分が豊富な髄核が存在し、周囲を強固な線維輪が覆っています。年齢と共に髄核の水分が少なくなり、線維輪に裂け目が生じる等、椎間板は徐々に劣化します。椎間板が劣化すると背骨に不安定性を生じ、腰痛の原因となります。椎間板の劣化に引き続き、椎間板を挟む背骨にも脂肪変性(骨が脂肪になる)や骨硬化(骨が硬くなる)が生じ、時に難治性かつ慢性腰痛を引き起こします。治療については、初めは手術以外の方法である保存療法(薬物療法、装具療法、神経ブロック、物理療法、運動療法など)で経過観察します。しかし、保存療法で改善しない場合や日常生活に支障を来たす場合には、手術治療が選択肢となります。その具体的な手術法としては、全内視鏡下椎間板切除術(FESS)、内視鏡下椎間板摘出術(MED)などがあります。FESSは約1cmの切開で基本的に日帰り(外来)手術が可能で、MEDは約2cmの切開で行えます。腰椎椎間板症の最小侵襲手術の選択肢として、上記以外に傷んだ椎間板を切除し、腰椎をインプラントで制動する固定術(MIS-TLIF、LIFなど)が必要となる場合があります。
石井医師は、適切に手術の適応とタイミングを判断した上で、最小侵襲(低侵襲)手術を前向きに取り入れています。