疾患と治療
せきついせきずいさいしょうしんしゅうないしきょうけんびきょうしゅじゅつ
脊椎脊髄 最小侵襲・内視鏡・顕微鏡手術
近年、脊椎脊髄手術は飛躍的な発展をとげており、なかでも「最小侵襲(低侵襲)・内視鏡手術」が注目されています。最小侵襲手術は、従来の方法と比べて切開を小さくし、身体への負担を軽減した方法です。本邦では、1999 年にMEDという内視鏡手術が承認され、石井賢医師は日本で最も早く最小侵襲手術手技を取り入れた一人であり、この分野の第一人者です。最小侵襲手術には、従来の方法と比較して以下に示すような多くのメリットがありますが、難易度の高い手術の1つと言えます。手術においては、適応を十分に判断した上で、積極的に身体への負担の少ない最小侵襲・内視鏡手術も考慮することが重要です。
最小侵襲・内視鏡・顕微鏡手術のメリット
1、傷が小さい。
2、組織侵襲が少ない。
3、出血が少ない。
4、術後の痛みが少ない。
5、精神的なストレスが少ない。
6、日帰り手術が可能である(入院期間が短縮できる)。
7、社会復帰が早い。
8、中長期成績で腰背部筋肉の萎縮や隣接する脊椎の障害が少ない。
9、感染症などの合併症の発生率が低い。
10、その他
脊椎最小侵襲手術の歴史(敬称略)
1975年 経皮的椎間板摘出術(PN;土方貞久)
1991年 経皮的内視鏡下椎間板摘出術(PED)
全内視鏡下脊椎手術(FESS)
1999年 内視鏡下椎間板切除(MED)
2002年 選択的頚椎椎弓切除術(白石建)
2005年 経皮的椎弓根スクリュー(PPS)
2005年 MIS-TLIF(最小侵襲腰椎固定術)
2005年
Minimally
Invasive
Spine
Stabilization(MISt、ミスト)手技の提唱(MIST学会創設者5名:佐藤公治、齋藤貴徳、星野雅洋、有薗剛、石井賢)
2005年 腰椎棘突起縦割式椎弓切除術(渡辺航太)
2012年 環軸関節回旋位固定術のリモデリング療法(石井賢)
2013年 PETLIF(Jaquot
and
Gastambide)
2014年 XLIF/OLIF
2015年 PPS刺入に用いるS-wire(安全なワイヤー)(石井賢)
2015年 PPSによるGETテクニック(石井賢)
2017年 頚椎人工椎間板置換術(TDR)
2017年 最小侵襲脊椎治療(MIST、ミスト)の提唱
(MIST学会創設者5名:佐藤公治、齋藤貴徳、星野雅洋、有薗剛、石井賢)
2018年 PETLIF (長濱賢)
2019年 Fullendo-KLIF (西良浩一)
2023年 MISHIMA手術
(石井賢)
MIST学会HP
MIST学会
-
最小侵襲脊椎安定術の安全な普及のために
MIST歴史英語論文
https://ken-ishii.com/assets/PDF/senaka_mist_ronbun.pdf
PPSの歴史英語論文
https://ken-ishii.com/assets/PDF/senaka_pps_ronbun.pdf
脊椎最小侵襲手術の適応となる疾患
石井賢医師臨床チームは、主に以下に挙げる疾患に対して最小侵襲手術を施行しています。
1、
頚椎椎間板ヘルニア
2、
頚椎症
3、
腰椎椎間板ヘルニア
4、
腰部椎間板症
5、
腰椎脊柱管狭窄症
6、
腰椎変性すべり症
7、
脊柱変形/
腰椎変性側弯症
8、
腰椎分離(すべり)症
9、
胸椎黄色靭帯骨化症(OLF、OYL)
10、
転移性脊椎腫瘍
11、
感染症性疾患(化膿性脊椎炎など)
12、
脊椎圧迫骨折
13、
透析性脊椎症
14、
その他
脊椎最小侵襲手術の種類と方法
個々の患者様の診断や病態を評価し、最もふさわしいと思われる最小侵襲治療法を選択しています。症例に応じて最新式の脊髄モニタリングを使用し、これまで見えなかった脊髄や馬尾神経への侵襲を可視化することによってより安全安心・確実な最小侵襲手術を実践しています。以下に主な治療法について記載します。それぞれの手技については、こちらのURLをクリックしてください。
1, TSCP
経仙骨的脊柱管形成術
(Trans-Sacral
Canal
Plasty)
2, FESS
全内視鏡下椎間板切除術
(Full
Endoscopic
Spinal
Surgery)
3, DPEL
(Direct
Percutaneous
Endoscopic
Laminoplasty)
4, MED
内視鏡下椎間板切除術
(Microendoscopic
Discectomy)
5, MISHIMA手術
(Navigation-assisted
micro-window
excision
of
thoracic
ossification
of
ligamentum
flavum)
6, MIS・TLIF
最小侵襲腰椎後方椎体間固定術
(Minimally
invasive
surgery-transforaminal
lumbar
interbody
fusion)
7, BKP
/
VBS
経皮的椎体形成術
(Balloon
Kyphoplasty)(Vertebral
Body
Stenting)
8, XLIF・OLIF
側方経路腰椎椎体間固定術
(Extreme
Lateral
Interbody
Fusion)/
(Oblique
Lateral
Interbody
Fusion)
9, 脊柱変形・腰椎変性(後)側弯症に対するLIFによる矯正固定術
10,側方経路胸椎椎体間固定術
(XLIF
THORACIC)
11,ACR
(Anterior
Column
Realignment)
腰椎ハイパーロルドーティック
ケージ